2023/01/30 17:31
フッ化物歯面塗布 ①

フッ化物歯面塗布は、萌出後の歯に直接フッ化物溶液を作用させる方法で、歯科医師と歯科衛生士(専門家)だけができる、通常、個人を対象にしたフッ化物局所応用法です。フッ化物の応用方法にはいろいろな方法がありますが、フッ化物歯面塗布は臨床的な応用法としては唯一の方法で、とくに幼児や小児期のむし歯予防方法として歯科医院やあるいは保健所等で行われてきた長い歴史があります。とくにわが国では他のフッ化物応用の普及が遅れたこともあって、フッ素といえばこのフッ化物歯面塗布を指すくらい一般の方にもよく知られている方法です。
わが国では、1949年、厚生・文部両省から「弗化ソーダ局所塗布実施要領」、1966年には厚生省医務局長から、「弗化物歯面局所塗布実施要領」が出され、その普及が図られてきました。歯科疾患実態調査によれば1~15歳未満のフッ化物歯面塗布を受けたことのある者の割合は平成17年の調査では総数で59.2%に達しています。また、フッ化物歯面塗布は、1994年度からはむし歯多発傾向児に対しては医療保険の給付対象にもなりました。